透析クリニックは、子育て中のママさんナースなど、ワークライフバランスを重視したい看護師に人気の職場のひとつです。基本的に日勤のみで、クリニックに訪れる患者さんは自立度が比較的高いのが特徴です。しかし、実際のところはどうなのでしょうか。

この記事では、透析クリニックで働く看護師の仕事や働きやすさ、離職率などについてご紹介します。

透析クリニックでの看護師の仕事は?

透析クリニックは基本的に日勤のみの勤務で、患者さんの通院スケジュールも決まっています。突発的な残業もほとんどなく、生活リズムを整えやすい点は大きな魅力でしょう。

ここでは、具体的な仕事内容について見ていきます。

透析看護師の主な業務

透析クリニックの看護師の主な業務は、大きく分けると5つあります。それぞれ見ていきましょう。

1.評価とモニタリング

・患者さんの状態や透析に関連するデータ(血圧、体重、体温など)の評価

2.透析治療の実施

・透析機器のセットアップや接続

・透析機器や患者さんの状態の観察

3.透析中の看護ケア

・患者さんの血圧や体重のモニタリング

・必要に応じた処置や薬剤の投与

・透析中の合併症や不快症状に対するケア

・透析治療に関連する感染予防

4.記録

・患者さんの状態や治療結果、処置内容などの記録

5.患者教育

・患者さんや家族とのコミュニケーション

・透析治療に関する情報の提供、自己管理のサポート

1日の流れ

透析クリニックは、基本的に夜勤やオンコールなどはありませんが、中には準夜勤のあるクリニックもあります。ここでは、透析クリニックでの日勤のスケジュール例をご紹介します。

■8:30 始業・準備

申し送り後、透析に必要な機器の準備をします。治療室の清掃や消毒、薬剤の準備なども行います。

■8:45 透析前の評価・透析開始

患者さんが到着したら、バイタルサインや状態の確認、血液検査結果などの評価を行います。問題がなければ、シャント穿刺を行って透析開始となります。

■9:30 透析中の観察・バイタルチェック

気分不快や血圧低下などの症状がないか、患者さんの様子を観察します。必要があれば、適宜対応します。

■12:30 透析後のバイタルチェック・記録

透析終了後は止血をしてバイタルサインをチェックし、記録をします。

■13:00 休憩

■14:00 午後の準備・透析開始

午後も午前中と同様に行います。

■18:00 終業

以上が、透析クリニックの看護師の大まかな1日の流れです。

透析クリニックはママナースでも働きやすい?

透析クリニックは、本当にママナースでも働きやすいのでしょうか。結論から言うと、透析クリニックでの働きやすさは、個々のクリニックやその雇用条件によって異なります。しかし、ママさんナースが働きやすい環境を整えている透析クリニックは多くあります。

透析クリニックにおけるママナースのメリットは、次の通りです。

  • 身体的な負担が少ない
  • ライフスタイルに合わせて働ける

それぞれ見ていきましょう。

身体的な負担が少ない

透析クリニックは、患者さんの通院スケジュールが決まっています。患者さん1人あたりの時間も決まっており、突発的な残業は少ないと言えます。また、クリニックに来る患者さんは基本的に自立しており、病棟のような移乗や体位変換などもほとんどありません。

ライフスタイルに合わせて働ける

勤務先によっては、早朝透析や夜間透析を行っているところもあります。勤務時間が多様であれば、看護師も自分のライフスタイルに合わせて働くことが可能です。

透析クリニックの離職率は?

透析クリニックは働きやすいと言われますが、離職率はどうなのでしょうか。透析は時間と集中力を要する治療であり、患者さんの対応をする看護師にも高い負担やストレスがかかることがあります。また、患者さんは「月・水・金」「火・木・土」などのように透析日が決まっており、土曜日出勤が求められることもあります。

これらの要素が人によっては負担となり、離職率が上昇する可能性があります。ただし、労働条件やサポート体制を整えた透析クリニックもあり、すべての透析クリニックで離職率が高いわけではありません。経営方針や雇用条件、スタッフの働きやすさを重視しているクリニックでは、離職率が低くなることもあるでしょう。

透析クリニックは病院に戻りにくいの?

透析クリニックでの経験は、病院においても評価されるでしょう。透析は需要のある分野であり、透析の知識やスキルを持っていることは、病院への就職や今後のキャリアでも十分有利になる可能性があります。特に透析室のある病院では、透析をしている入院患者も多く、透析クリニックでの経験を活かすことができます。

まとめ

透析クリニックでの看護師の仕事についてご紹介しました。業務内容や1日の流れが理解できたでしょうか。透析クリニックでの働きやすさや離職率などは、そのクリニックによります。一概に「子育て中でも働きやすい」「病院に戻りにくい」とは言えません。

透析クリニックは多数あり、それぞれ特徴があります。自分に合った経営方針や勤務形態の透析クリニックが見つかると、ママさんナースでも働きやすいでしょう。