看護師として働き始めて1年未満で退職したいと悩むことはありませんか?新人看護師は仕事で覚えることも多く、職場の人間関係にも疲れますよね。心身ともに疲れた状態で退職を決断すると後悔するかもしれません。
そこで今回は、新人看護師が今の職場をやめたいと思ったときにどうしたらいいのか、今の環境とは違う仕事についてもご紹介します。
新人看護師はやめる人が多い?
日本看護協会の報告では2021年度新卒採用者の離職率が全国平均10.3%です。2005年以降同様の方法で調査されており、初めて10%を超えました。
新卒採用者の離職率は低いところで福井県が3.7%、香川県は最も高い17.1%という調査結果で都道府県別にばらつきがあります。
出典 日本看護協会2022年病院看護・助産実態調査 報告書8頁
実際にやめた人はいる?
入職1か月で自分には合わないと感じ、退職した人もいます。経済的な問題もあるため看護師とは違う仕事をしながら働き方を探し看護師として再スタートした人も。
また、職場の先輩から新人というだけで他の人とは違った対応をされ早期退職を決断した人もいます。パワハラ・セクハラなどを受け続けていると疲れているのに眠れない、ストレスで食事がとれないなど健康に影響を及ぼします。うつ病や適応障害などになると療養生活を余儀なくされ仕事どころではありません。
新人看護師はやめると後悔する?
辞める理由やその後の過ごし方によって後悔する人としない人に分かれます。
辞めて後悔する人
・退職したものの、次の転職先が見つからず、看護師資格が無駄になってしまった。
・転職には成功したが1年目で辞めた問題児という目で見られてしまった。
・転職したことで、他の新人看護師達との実力差が開いてしまった
辞めて良かったと思える人
・退職してから次の就職までの期間にしっかり休養を取ることができ、心身が回復した。
・転職先が心地よい環境で、看護師を続けることに前向きになることができた
・働き方を変えることで、自分の生活スタイルを作り直すことができた
退職理由が明確で転職先の仕事が自分に合っていれば転職してよかったと思えるでしょう。特に職場からパワハラ・セクハラを受けている場合は、新人看護師の立場では争うことが難しく、職場に残ることで余計にストレスが溜まってしまい、最悪の場合うつや適応障害になる場合もあります。こうなる前に、早めの退職を考えた方がよいでしょう。
しかし、仕事がなんとなく嫌で退職したものの次の転職先が見つからない、転職してもすぐにやめてしまうなど後悔する人がいるのも事実です。
やめたいと思ったときにはどうしたらいいの?
実際にやめたいと思ったときに何をしたらいいのか具体的にみていきましょう。
上司には早めに伝える
職場への退職の申し出について法律上は2週間前までとされていますが、各施設の就労規則によって申し出は1〜3か月など期間が異なります。就労規則の確認、直属の上司へ退職の意向を早めに伝えることが大切です。ハラスメントや自身の体調不良により申し出が困難な場合には退職代行サービスを利用する方法もあります。
身近な誰かに相談する
職場の同僚やプリセプターに相談し、人間関係がスムーズになることで退職を避けられる可能性もあります。また、違う施設で働いている看護師友達に相談すると、自分の環境をより客観的に見ることができるためおすすめです。
身近な友人や家族に相談するとあなたらしさが失われているか判断してくれるでしょう。自分らしく働くことが困難な場合は部署異動や転職も検討しましょう。
悩み相談サイトを利用する
看護師専用のサイトではネット上で悩み相談ができます。「カンゴトーク」「看護roo!」などが一例で同じような境遇にある新人看護師の悩みを知ることができます。
3年後に退職すると決め前向きに働いている新人看護師もいます。期間を設定するとつらい現状はいつまでも続かないと思うことができ、気持ちが楽になることもあります。
・カンゴトーク
「カンゴトーク」は医療・福祉の仕事のお悩み掲示板「シゴトーク」が運営する看護師向けのお悩み掲示板です。新人看護師のちょっとしたお悩みから、技術のアドバイス、人生相談のようなものまで、幅広く色々なお悩みが共有されています。
自分と同じお悩みを持つ方を見つけることができれば、わざわざ投稿しなくてもヒントが見つかるかもしれません。
また、定期的に開催される投票もみんなの意見を知ることができ面白いので、ぜひ参加してみましょう。
・看護roo! お悩み掲示板
看護求人サイトの「看護roo!」はお悩み掲示板を運営しています。同年代の看護師の意見を聞けることをコンセプトにしており、「新人ナース」「2年目ナース」「フリートーク」など、自分の環境に近い看護師の方を見つけることができます。
転職サイトを利用する
「レバウェル看護」「マイナビ看護師」などの転職サイトに登録すると悩み相談や転職のアドバイスが受けられます。担当エージェントとの相性もあるため、いくつかのサイトに同時に登録するのがおすすめです。
実際に転職をしない場合でも、転職が選択肢としてあるだけで心が楽になる場合もありますし、現状を変えるための積極的な行動ができるようになります。
看護師のバイトに登録
正社員ではなく看護師のバイトを経験するのもひとつの方法です。短期契約のため自分に合っているか仕事をしながら確認することができます。
看護師のバイトは以下のような特徴があります。
・勤務頻度を自分の希望通りにある程度調節できる
・様々な仕事をこなすことでキャリアアップを見込める
・仕事が合わないと思ったときに辞めやすい
・職場の人間関係がライトなままで済む
病院での勤務が思った以上に自分には合わなかったけれど、せっかく取った看護師資格は活用し続けたいという方は、看護師のバイトがおすすめです。
看護師の働き方はたくさんある!
心身ともに疲れた状態では自分を見つめなおす余裕がないかもしれませんが、冷静に立ち止まって今とは違う環境について考えてみましょう。「こんな仕事があるんだ!」ということを知るだけで、気が楽になったり、転職に前向きになることができるようになりますよ。
自分にむいている職場を探す
急性期看護の忙しさがストレスになっている人は、慢性期看護などで患者さんとゆっくり関わる仕事の方が向いているでしょう。
社会人1〜3年目までの若者は第二新卒と言われます。最近では第二新卒の募集が積極的に行われています。
また、職場を選ぶときは施設規模の大きさだけではなく、サポート体制が整っている職場を探しましょう。
夜勤のない仕事
外来やクリニックでは基本的に夜勤がありません。病棟で土日の出勤、夜勤など不規則な勤務体制で働いていた新人看護師が外来へ異動し、規則正しい生活を送ることで仕事が続けられるケースもあります。
眼科、皮膚科などは生命の危険を感じる場面が少なく、緊張感も軽減されるでしょう。若手の看護師には美容外科も人気です。施設によっては当直制で夜勤をすることもあるため注意しましょう。
人との関わりが短時間で済む仕事
長時間に人と関わるのが苦手な方は健診センターで働くこともおすすめです。健診センターの対象は健康なお客様。滞在時間も比較的短く、サービス業としてのコミュニケーションスキルが求められます。
データの入力などデスクワークを行うこともあり、一般的な看護師の仕事とは異なります。健診センターでは採血スキルが必須。スタッフの数が限られており、採血ができなければ交代してもらえる要員は少ないです。
地域に密着した仕事
急速にすすむ高齢化社会では訪問看護・介護施設などの仕事は需要が高いです。在宅で過ごす患者さんの状態によって医療施設への受診が必要かどうか、ケア方法の変更など看護師の判断力が求められる場面ではやりがいを感じられるでしょう。
新卒でも積極的に訪問看護師を目指す人が増えています。訪問先で困ったことはチームに相談して判断を仰ぐ、病棟と連携して注射・点滴など看護技術の習得ができるといったサポート体制が充実している施設もあります。
看護師の資格を活かした仕事
看護師の資格を活かして働ける仕事は多くあります。以下に主なものをご紹介します。
- 保育園
- 産業看護師
- 治験コーディネーター
- コールセンター
- イベントナース
- ツアーナース
などです。看護師資格が必須な仕事から、看護師資格は必要無くても、あると有利・給与が高くなる、という仕事まで、看護師資格が活かせる仕事はたくさんあります。
特に都市圏にお住まいの方は、企業で会社員として働くことができる産業看護師や、スポーツイベント等で単発で働くことができるイベントナースの求人がとても多く、探してみることをおすすめします。
進学する
働くことに疲れた人は保健師や助産師資格取得にむけての進学や医療系以外の勉強をするなど今の環境を変えてみるのもひとつの選択肢となります。
これらの資格を取得すると、より職場選びの幅が広がり、給与UPも見込めます。看護バイトをしながら資格を取っている方も多いです。
まとめ
新人看護師の離職率は年々増加傾向にあり、中でも大阪は全国平均より高いことがわかりました。
仕事をやめたいと悩むときは自分を見つめなおすチャンスです。ゆっくりと自身について考えてみてはいかがでしょうか?