「テキパキと働く救急看護師に憧れるけど、新卒看護師でも務まるの?」と就職先選びに悩んでいませんか?救急看護師の仕事内容が分からないと、不安ばかり強くなってしまいます。今回は、救急看護師の仕事内容や大阪府で救急看護師として働きがいのある病院などについてご紹介します。

救急看護師はどんな仕事をするの?

救急看護師は救急処置が必要な人々への看護活動をしますが、具体的にどのような仕事をするのかをご紹介します。

そもそも救急看護とは何?

救急看護とは、急な病気や事故・災害によるケガなどに対応するための医療処置やケアのことをいいます。一般的に救急外来や救命救急センターなどで働く看護師を指しますが、ドクターヘリや災害現場などの医療施設以外で活動することもあります。

救急看護師の仕事内容

救急看護師は以下のような業務を行います。

  • 医師の診療の補助

救急の現場では緊急度・重症度の高い患者さんが多いため、看護師は医師の診療を補助します。スムーズに診療を進めるためには、看護師も患者さんの状態を的確に判断し、次の一手を先回りして必要な医療機器やケアを準備することが大切です。

患者さんの状態に応じて酸素投与、採血、点滴、心電図、人工呼吸器の管理、排泄ケアなどに対応します。

  • 問診・トリアージなどの初期対応

患者さんが来院した際の問診やトリアージなどを看護師が担当することもあります。患者さんから必要な情報を引き出し、優先度を判断します。

緊急性が高い場合は診察を早めるなどの対応が必要です。初期対応はその後の患者さんの状態や治療に影響するため、情報収集力・アセスメント力が求められます。

  • 患者さんやご家族への精神的ケア

突然の病気やケガによって気持ちの整理がつかず、不安を抱えている患者さんやご家族が多くいます。そういった方へ精神的ケアをすることも看護師の大切な役割です。

患者さんやご家族の心情に寄り添いながら声をかけたり状況や今後の見通しを説明するなど、看護師のコミュニケーション力の見せ所です。

大阪の救急看護師の平均給与

大阪府で働く看護師の平均給与は年収529万円 *1 であり、救急看護師も同じくらいの給与といえるでしょう。

救命救急センターを設置しているのは大規模病院であり、そもそも給与が高い傾向にあります。また、一般病棟に比べると、救急看護師は特殊勤務手当やオンコール手当がつく病院も多く、その分給与は高くなります。

*1 令和4年賃金構造基本調査

大阪で救急看護師になるには?

大阪で救急看護師として働くためには、看護師免許があればその他に特別な資格は必要ありません

病院の教育方針や入社する看護師の人数などによって異なりますが、新卒看護師が救急科に配属になることもあります。教育体制のしっかりしている病院を選ぶと、新卒看護師でもサポートを受けながら幅広い知識・技術を学べるでしょう。

他の診療科で経験を積んでから救急科に異動する人もいます。特に、外科系の病棟で働くと手術前後の看護や処置について理解を深められるため、救急科でもその経験を活かせます。

大阪で救急看護師が活躍する病院は?

救急看護師が活躍する救急医療施設は、重症度によって「一次救急」「二次救急」「三次救急」の3つに分けられます。

  • 帰宅可能な軽症患者を診る「一次救急」

一次救急施設は、入院を必要としない軽症患者を対象とした施設です。「初期救急施設」とも呼ばれています。大阪府では各エリアに設置されている急病診療所などが対応しています。

  • 入院・手術を必要とする重症患者を診る「二次救急」

二次救急施設は、初期治療から入院・手術に対応する施設です。入院や手術を必要とする患者さんが救急車で搬送されるのは、通常、二次救急施設となります。

大阪府では「固定通年制」と「非通年・輪番制」の病院が各エリアにあります。固定通年制は、24時間365日対応する施設です。非通年制は、特定の曜日のみ24時間体制で診療する施設です。輪番制は、小児科・精神科・眼科・耳鼻咽喉科において複数の病院が当番制で救急患者に対応しています。

  • 二次救急で対応できない重症・重篤患者を診る「三次救急」

三次救急施設では、二次救急施設では対応できない重篤疾患や多発外傷などの患者さんに対応します

三次救急には、救命救急センター高度救命救急センターがあります。高度救命救急センターは特に高度な診療機能を有する施設であり、大阪府では大阪大学医学部附属病院、関西医科大学病院、大阪急性期・総合医療センターの3施設があります。

三次救急施設は、地域の救急医療の調整・指導・教育を担っており中心的な役割です。

大阪で救急看護師として働きがいのある病院

救急看護を目指す上で、どのような施設で働くかは看護師のキャリアにおいても重要です。中でも、三次救急施設は大規模病院がほとんどであり、教育体制が整っているため安心して働けるでしょう。また、初年度の基本給は20〜24万円 *2 と高くなっています。

大阪府には三次救急施設が17カ所 *3 ありますが、施設の特徴や看護師の初任給、働いた看護師の評価 *4 などを元に働きがいのある病院をいくつかご紹介します。

  • 大阪大学医学部附属病院

大阪大学医学部附属病院(吹田市)は高度救命救急センターを設置しており、大阪府ではドクターヘリを唯一運用しています。関西近郊の高度医療を担っており、看護師としてのスキルを高め、フライトナースを目指すこともできます。

  • 関西医科大学病院

関西医科大学病院(枚方市)は二次救急と高度救命救急センターを設置。北河内エリアの救急医療を支えています。系列の関西医科大学総合医療センターも二次救急と救命救急センターを設置し、精神科医と精神保健福祉士が常駐しているのが特徴です。

  • 大阪急性期・総合医療センター

大阪急性期・総合医療センター(大阪市)は高度救命救急センターのうち大学病院ではない施設です。高度な救急医療に対応するだけでなく、大阪府の基幹災害拠点病院として中心的な役割を担っています。

  • 大阪市立総合医療センター

大阪市立総合医療センター(大阪市)は大阪府で唯一、救命救急センターと小児救急センターの両方を設置しています。乳児から成人までの高度な救急医療に携わることができ、幅広い経験を積みたい人に向いています。

  • 近畿大学病院

近畿大学病院(大阪狭山市)は二次救急と救命救急センターを設置。循環器疾患であれば心臓血管センター、脳疾患であれば脳卒中センターのスタッフが常時対応するなど、各領域で高度な医療体制が整っていることが特徴です。

  • 堺市立総合医療センター

堺市立総合医療センター(堺市)は二次救急と救命救急センターを設置。外傷や循環器・脳神経・消化器疾患だけでなく、大阪府内でも緊急対応できる施設が少ない頚椎損傷や骨盤骨折の根治手術を行っています。三次救急施設の中では看護師の初任給が最も高くなっています。

  • 大阪母子医療センター

大阪母子医療センター(和泉市)は周産期・小児医療に特化した病院で、二次救急と小児救急センターを設置。大阪府の周産期医療の基幹病院でもあり、周産期・小児分野の救急看護を学びたい人にはおすすめです。

*2 参考:各病院ホームページの求人情報

*3 参考:大阪府 三次救急告示医療機関一覧

*4 参考:医療介護の職場口コミサイト「メディコ」 

まとめ

救急看護師は急な病気やケガをされた患者さんの処置・ケアを行い、患者さんの回復などにやりがいを感じられる仕事です。救急看護の知識やスキルを高める必要はありますが、特別な資格は必要なく、新卒看護師も目指すことができます。看護師としてのキャリアを高めるためにも、教育体制が整っており自分に合った病院を選びましょう。