近頃、ニュースやワイドショーなどで耳にする機会の多い「103万円の壁」や「130万円の壁」という言葉についてご存知でしょうか。扶養内で働く方の収入が高くなると税金の対象となったり、社会保険料を自分で支払わなければならなくなったりします。これら収入の上限を「壁」と呼んでいます。
現在、扶養内で働いている看護師へどのような影響があるのでしょうか。今回の記事では、「壁」撤廃がもたらす問題点や利点などについて解説していきます。

178万円の壁ってなに?
所得税を納税する年収のボーダーラインである「103万円の壁」は、1995年に制定されました。その後に最低賃金が上昇しても据え置きとなっています。そこで、国民民主党が改正案を提案し、最低賃金の上昇率と比例して、「178万円の壁」まで上昇させようとする動きがあります。
130万円の壁は残存するので気をつけよう!
178万円以下に収入を抑えておけば控除対象扶養家族(扶養に入る)というわけではありません。178万円の壁というのは、あくまで所得税が科せられない年収です。
国民年金や国民健康保険の保険料支払い義務が生じる130万円の壁は、今回の増額の対象になりませんでした。そのため、扶養内で働き続けたいという看護師は注意が必要です。
130万円の壁は引き下げられる!?
年収130万円以下で働いており、配偶者の扶養に入っている方を「第3号被保険者」と呼びます。これは、1986年に始まった制度ですが、当時は女性の社会進出が現代ほど唱えられていない時代でした。そのため夫の扶養家族となり、家庭に入る女性を守るための制度として根付いてきました。
しかし、団塊の世代が後期高齢者になるとされる「2025年問題」が目前に迫っています。そのため、2025年を境に社会保険料による収入の確保が急務となりました。
これにより、控除対象扶養家族の130万円の壁が減額(または撤廃)される可能性があります。この改正は現段階では予想の範疇を超えませんが、社会保険の標準報酬月額の最低額が現行の健康保険料の基準である約5万8000円まで引き下げられる可能性が示唆されています。つまり、年収70万円に新しい壁ができるのではないかとされています。
扶養内で働き続けたいと考える看護師は、こちらの動向からも目が離せません。
130万円の壁が撤廃となったら?
もし、この130万円の壁が撤廃となれば、労働者は全員が自分自身で社会保険料を支払うことになるため、一見マイナスな政策と感じてしまいます。
しかし、実際には収入を気にして労働する方が少なくなることを目的にしています。世帯収入が上がり、その分経済を回すために制度の見直しは重要です。自分や配偶者の働き方を本格的に見直す機会にしていきましょう。

看護師に利点はあるのか?
これらの収入の壁は、「扶養内で働く看護師」のみに限定されて影響があります。扶養内で働く上で、12月の忙しい時期に収入調整を行ったり、働き控えをしたりなど、収入の壁に振り回される場面も少なくありません。
ここでは「壁」と呼ばれる年収額の上昇がもたらす利点について解説していきます。
働く日数を増やすことができる
看護師の平均時給は、最低賃金と比較すると高額です。そのため、現行で定める壁では直ぐに到達してしまうことに悩まされてきました。扶養内で働く看護師は出勤できる回数や時間数に限りがあるため、嫌がらせされてしまうこともあります。求人の幅も広げるためにも働く日数を増やすことが出来るのは利点といえるのではないでしょうか。
柔軟なシフトに対応出来る
同じ時間数でも時給の高い遅番・早番・夜勤帯のシフトに入るとやはり103万円の壁、130万円の壁に直ぐに到達してしまいます。これまで家事や育児の都合上、早番勤務や夜間帯に働きたいと考えていた方は働き方を変えるチャンスとなるかもしれません。
生活水準が向上する
年収の「壁」は今回の改正案の通りにいくと、所得税の壁のみで考察しても、年間75万円増加させることが出来ます。これは、月収では6万円ほどとなります。毎月6万円増加すれば、その分貯蓄や嗜好品、趣味などに費やすことができるため生活水準を向上させることができます。
人手不足の解消につながる
看護師には慢性的な人手不足という課題があります。特に所得税の壁がや扶養を抜けてしまうことが気がかりで働き控えをしている看護師も存在します。年収の上限が上がることで勤務できる時間数も比例して増えるため、将来は人手不足の解消に繋がると期待されています。

130万円の壁を理解して扶養内で納得する働き方を見つけよう
年収の壁が改正されることは、労働者だけでなく雇用側や社会全体にも利益をもたらす結果となることがおわかりいただけましたか。
現行では、住民税(100万円)、所得税(103万円、のちに178万円)、社会保険料(130万円)、配偶者控除、配偶者特別控除などによって金額が複雑に決められています。
扶養内で働きたい人も、扶養外を希望する人も、全体像を理解して納得のいく働き方を見つけ、新しい時代の働き方に順応していきましょう。
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