看護師の入職前に必要とされる健康診断。しかし「パートやアルバイトの場合でも健康診断を受けた方がいいのか」「費用は誰が支払うのか」など、対応に迷う看護師も少なくありません。
今回は、看護師の入職前健康診断について、知っておきたいポイントをわかりやすくご紹介します。
看護師の入職前に行われる雇入れ時健康診断とは?
看護師が入職する際、病院は従業員に健康診断を受けさせなければなりません。これは労働安全衛生規則の第43条で定められており、正式には「雇入れ時健康診断」と呼ばれています*1。
雇入れ時健康診断は、従業員の安全や健康に配慮するために病院側に義務付けられているものです。
入職前健康診断の対象者|パートやアルバイトでも必要?
入職前に行われる健康診断の対象者は、原則として「常時勤める労働者」です*1。たとえば、以下のいずれかの場合が対象となります。
- 正社員
- 雇用期間の定めはあるが、1年以上の雇用予定があり、週の労働時間が正社員の4分の3以上である者(パート・アルバイト含む)*2
つまり、パートやアルバイト看護師の場合は、雇用期間や週の労働時間によって入職前健康診断の対象となるかが異なってくるのです。具体的にいうと、正社員の労働時間が週40時間の職場では、週30時間以上働くパートやアルバイトは健康診断の対象となります。
また、週の労働時間が正社員の4分の3未満であるパート・アルバイトでは、以下の対応にわかれます。
- 週の労働時間が正社員の2分の1以上である者には、入職前の健康診断を実施することが望ましい*2
- 週の労働時間正社員の2分の1未満である者は、とくに決まりはなし
短時間で働く看護師に対して、入職前の健康診断についての法的な決まりはありませんので、最終的には病院の判断になるケースが多いようです。

入職前健康診断の検査は11項目
入職前に行われる雇入れ時健康診断では、以下の11つの検査が必須項目です。
- 既往歴および業務歴の調査
- 自覚症状および他覚症状の有無の検査
- 身長・体重・腹囲・視力および聴力の検査
- 胸部X線検査
- 血圧測定
- 貧血検査(赤血球数・血色素量)
- 肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTP)
- 血中脂質検査(LDLコレステロール・HDLコレステロール・血清トリグリセライド)
- 血糖値
- 尿検査(尿中の糖および蛋白の有無)
- 心電図検査
雇入れ時健康診断では、上記が必須項目となり省略することはできません。
なお、入職前の3ヶ月以内に上記すべての項目を満たす健康診断を受けている場合は、その結果を提出することで雇入れ時健康診断を省略することも可能です*1。
入職前健康診断の費用|会社負担?それとも自己負担?
入職前の健康診断については労働安全衛生規則の第43条に規定されていますが、誰がその費用を負担するのかは決められていません。
ただし、事業者に健康診断の実施が義務付けられていることから、病院が費用を負担するべきだと考えられています*3。ただし、最終的な判断はそれぞれの職場に任されているのが現状のようです。
病院によっては、入職前の健康診断を受けた個人に費用を立て替えてもらい、後日精算するケースもあります。健康診断にかかる費用は1〜2万円程度が一般的です。その場合は、健康診断の領収書を忘れずに提出するようにしましょう。

入職前健康診断についてのよくある質問
入職前の健康診断を受けるにあたって、いくつか確認しておきたいポイントがあります。よくある質問について、わかりやすく解説します。
入職前健康診断はいつまでに受ければいい?
入職前の健康診断は「雇入れの直前または直後」に行うこととされています。一般的には「3ヶ月以内に健康診断を受けていれば、その結果を提出することで雇入れ時健康診断を省略できる*1」とされていることから、入職前3ヶ月以内に実施するケースが多いようです。
健康診断の受診時期について病院から指示された場合は、必ずその期間内に受けるようにしましょう。
看護師の入職前健康診断はどこの病院で受けるの?
看護師の入職前健康診断は、一般的に入職先から指定された病院で行います。たとえば、健診センターを完備している施設であれば自院または関連病院で実施することが多いようです。
入職先から病院の指定がない場合は、健康診断を受けられる病院・クリニックを自分で探す必要があります。その場合は、以下のような点に注意しながら予約するとよいでしょう。
- 必要な検査項目をすべて受けられるか
- 入職前までに予約できるか
- 健診結果が届くまでの日数
病院によっては予約が取りにくかったり、健診結果の受け取りに1ヶ月程度かかったりすることもあるので、早めに受診するようにしましょう。
健康診断の結果で採用が取り消しになることはある?
入職前の健康診断は、採用不採用を決定するために実施するものではありません*4。そのため、健康診断の結果によって採用を取り消しにしてはならないと言われています。
入職前健康診断は、従業員を適正配置することや入職後の健康管理に役立てることが目的です。ただし健康診断の結果によって、健康の保持に努める必要がある場合は、医師や保健師による保健指導を受ける必要がありますので注意しておきましょう*5。

入職を控えている看護師は忘れずに健康診断を受けましょう
これから正社員として入職する予定の看護師は、健康診断を受けることが義務付けられています。また雇用期間や労働時間の条件を満たすと、パートやアルバイトでも入職前の健康診断を受けることが必要です。
健康診断も入職に向けた準備の一つと考えて、滞りなくスムーズに対応しましょう。
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