〜「クーラ」で異例の「週1日2時間から」の超・時短勤務を実現〜
株式会社フォニム(所在地:東京都新宿区、代表取締役:宍戸光達、以下フォニム)と新潟県厚生農業協同組合連合会 新潟医療センター(所在地:新潟市西区、病院長:吉澤弘久、以下新潟医療センター)は、2024年6月25日にフォニムが提供する看護師採用DXツール「クーラ」導入に関する業務提携を締結しました。
本提携により、新潟医療センターにおいて看護師採用DXツール「クーラ」を活用した「週1日2時間から」という超・時短勤務での看護師求人を開始することになりました。
「クーラ」とは医療人材の時短・短期バイトがプラットフォームに集約され、病院と潜在看護師・副業看護師がマッチングできるサービスです。看護師不足が全国的に深刻化している中、働きやすい環境を整えることで、抜本的に解決することを目指します。
看護師採用で「週1日2時間」という超・時短勤務は異例です。「クーラ」は2023年6月よりサービスを開始し、東京、大阪エリアの多くの基幹病院で実績を積んでいるサービスであり、新潟エリアでは今回が初の導入となります。地方の医療業界における最大課題の一つである看護師不足の解決へ向けた先駆的な取り組みとなることが期待できます。
看護人材不足が加速する医療業界
昨今、看護人材の不足が病院運営に与えている影響は全国的に深刻な状況です。従来の人材紹介会社を介した看護職の初年度離職率が20.3%〜41.5%と非常に高い水準にある(※1)中、高齢化の影響により、2040年度までには看護師を今より更に2割以上も増員することが必須と見込まれています(※2)
特に新潟県など地方の看護師は就職や結婚などのライフスタイルの変化に伴って東京などの首都圏に流出することが多く、人材不足に拍車がかかっている状況です。
新潟県の試算(※3)によると、1人あたり月10時間の超過勤務が前提の上で、2025年度には3000人超の看護師不足が見込まれています。超過勤務無し、有給休暇取得20日以上の達成のためには、5000人超の看護師が必要となり、人材確保が急務となっています。
その一方で、看護師の医療機関における役割は一層拡大しています。2015年の法改正により、「特定行為研修」を修了した看護師は新たに38の医療行為を一定条件下で担えるようになりました(※4)。
このような現状を解決する1つの手段として「潜在看護師」の活躍があります。「潜在看護師」とは育児や介護などをきっかけに離職した看護師のことで、全国に約70〜80万人いるとされています。
しかし、「潜在看護師」は「復帰したいけど子育てやライフスタイルの変化で長時間は働けない」といった事情から、復職を諦めてしまうケースが多くあります。「潜在看護師」の方々に活躍してもらうためには、フルタイムではない「時短・短期の求人」を活用し、多様な働き方を提供することが必要です。
新潟医療センターの取り組み
JA新潟厚生連は、11の病院と複数の診療所、介護施設を有しています。その中で新潟市中心部にある新潟医療センターは「クーラ」を活用して、医療求人として異例の「週1日2時間から」の超・時短求人をはじめとする時短採用を行うことを決定しました。これによって「潜在看護師」や「副業看護師」の活用を促し、医療人材不足を抜本的に解決できることに期待しています。
医療人材採用のDXソリューション「クーラ」(https://www.cu-ra.net/)は、時短・短期のアルバイト業務をプラットフォーム上に集約して潜在看護師・副業看護師の現場活用を促すと同時に、そのようなフレキシブルな人材繰りに伴う医療機関側の管理負担をデジタル化で解消するサービスです。当サービスは既にJCHO大阪病院をはじめとする代表的な中核病院において導入が広がっています。医療機関は「クーラ」を利用することで短期間のアルバイトを通じて本当にマッチする人材を探すことができ、従来の常勤採用活動よりも離職率の抑制が期待できます。
株式会社フォニムについて
2017年2月24日設立。教育DXを主軸とする東大発ITスタートアップ。音楽のハードルをゼロにする音楽教育DX「Phonim Music」を運営。2023年より、潜在・副業医療従事者の採用・教育研修プラットフォーム「クーラ」を提供開始。
https://www.phonim.com/company/about
新潟県厚生農業協同組合連合会 新潟医療センターについて
新潟医療センターは、新潟市西区にあり、新潟市中心部のみならず周辺地域の地域医療の担い手として、高齢者感染症などの一般急性期医療から、救急車年間3000台を超える救急医療、心臓カテーテル治療などの高度医療、膝関節・スポーツ診療などの専門医療、リハビリテーション、緩和ケアに至るまで、幅広い分野での医療サービスを行う、市内有数の総合病院です。(財)日本医療機能評価機構による「病院機能評価」認定施設となっています。新潟駅や繁華街へのアクセスがバス一本でできる交通至便な位置にあり、また、特定機能病院である新潟大学医歯学総合病院から至近の距離にあり、同院との診療連携・人材交流が密に行われています。
https://www.niigata-medical.jp/about/outline.html
※1 厚生労働省「医師の働き方改革概要」 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001129457.pdf
※2 日本看護協会「看護師の特定行為研修制度ポータルサイト」https://portal.tokutei-nurse-council.or.jp/index.html
※3 新潟県「新潟県看護職員需給見通し」 https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/ishikango/kango-jyukyuu.html
※4−1 厚労省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001118192.pdf
※4−2 厚労省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況に関する参考資料」https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001101182.pdf