看護師が育休から仕事に復帰する際には、さまざまな不安を感じるもの。
「ブランクができてしまって、仕事で足手まといにならないか」「子育てと仕事を両立できるだろうか」などと考えが巡り、不安ばかり大きくなってしまうかもしれません。
今回は、育休明けの看護師が不安に感じることや、つらい悩みを軽減する対処法についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
育休明けの看護師が不安に感じる4つのこと
看護師によって子育ての状況や考えが異なるため、育休から復帰する際に感じる不安は人それぞれです。しかし、多くの看護師が復職する際に不安に感じやすい悩みがありますのでご紹介します。
1. 子育てと仕事を両立できるか不安
看護師が仕事復帰に向けて不安に感じやすいのは、子育てと仕事の両立についてです。
不規則な勤務に加えて忙しい看護師の仕事。子どもの発熱などにより保育園から呼び出しがかかったり、数日欠勤しなくてはならない状況も生じます。
そのため、業務に集中できなかったり、早退しなければならず職場に迷惑をかけてしまうのではないかと感じる人も多いでしょう。
また、残業や仕事の疲れから家事や育児に当てる時間が確保できずに悩んでしまう場合もあります。
2. 子育てに対する職場の理解が得られるか不安
子育てについて理解や協力が得られるか不安に感じる人もいます。
子どもの日々の送迎や急な発熱などによる保育園からの呼び出しなど、子育ては忙しなく柔軟な対応が必要です。時には、仕事を休まざるを得えず、シフト調整が必要になることも。
しかし、職場の理解が乏しいと、勤務・欠勤の調整が難しかったり良く思われなかったりして肩身の狭い思いをすることもあるでしょう。
3. 看護師としてのスキルの低下により仕事についていけるか不安
出産や育児のためにブランクができてしまうとスキルの低下が予想されるため、不安になる看護師は多くいます。
採血や注射などの看護技術は専門的なスキルが求められるため、感覚を取り戻すのに時間がかかることも。
また、医療技術は日々進歩しており、新しい知識・技術についていかなければなりません。知識不足によるミスは避けなければならないため、復帰後すぐに対処できるのか不安を感じてしまいます。
4. 人事異動や体制変更などから人間関係に馴染めるか不安
以前に勤めていた職場でもスタッフの体制が変わったり、育休明けを考慮して他の部署に配属されることもあります。
新しく人間関係を築くことは非常に労力がかかることであるため、不安を抱える人もいるでしょう。
人間関係に馴染めずにいると、職場で孤立することになりかねないため、うまく対処することが必要です。
看護師が育休明けのつらい悩みを軽減する7つの対処法
育休からの復帰に向けて不安やつらい悩みはなるべく軽減して、仕事も子育てもうまく対処したいですよね。育休明けのつらい悩みを軽減するための対処法についてご紹介します。
1. 周囲の顔色を気にしすぎないようにする
育休明けだからといって周囲の人に気を遣いすぎないようにしましょう。
他のスタッフの顔色ばかり気にしてしまうと、自身のストレスを抱えてしまうだけでなく、コミュニケーション不足により思わぬミスにつながってしまう場合もあります。
育休明けは自分に任されたことにしっかり対応し、「今はここまでできればOK」と割り切ることも時には大切です。
2. 職場のスタッフに感謝を伝えるようにする
職場のスタッフには常に感謝を伝えるようにすることも人間関係をうまく対処するコツです。
育休明けは、子どもの発熱などによる早退やシフト変更などがどうしても発生してしまいます。
そのため、職場のスタッフに常に感謝する姿勢を心がけていれば、相手側の印象もよくなり、コミュニケーションがとりやすくなるでしょう。
3. 育児経験者にアドバイスをもらう
育休明けから復帰したことのある先輩ママ看護師に相談してみることもおすすめです。
以下のような悩みを率直に聞いてみましょう。
- 仕事と育児をどのように両立しているか
- 急な休みをとる時はどのように対応したか
- 看護スキルはどのように磨き直したか
- 復帰後の仕事に慣れるまでにどれくらい要したか
同じ境遇を乗り越えた経験者であれば、より具体的なアドバイスをもらえる可能性が高いです。いただいたアドバイスは、ぜひ子育てや仕事復帰に生かしましょう。
4. 仕事と家事について家族で話し合い、家事には100%を求めない
子育てを一人でこなすのは大変ですので、仕事や家事についてパートナーと話し合い協力することが重要です。
子どもの送迎、家事の役割分担、保育園から呼び出されたときの対応など、事前に話し合うようにするとうまく対処できるでしょう。
また、家事には100%完璧を求めないことも大切。以下のような便利なサービスや商品を活用して家事の負担をなるべく軽減しましょう。
- ネットスーパー/食材宅配サービス
- 食洗機
- お掃除ロボット
- 電気調理器
- 全自動洗濯乾燥機 など
それによって空いた時間は、子どもと過ごす時間などに当てることも可能です。
5. 勉強する時間を少しでも確保する
育休明けの仕事への不安を軽減するためには、勉強する時間を少しでも確保することが重要です。
なぜなら、仕事を安全に対応するためには、やはり知識・技術の習得や確認が必要だからです。
ただし、子どもが小さいほど勉強時間を確保するのは難しいことが多いです。子どもが寝ている間の10分だけ、公共交通機関での移動中、スキマ時間にスマホで確認するなど、少しでも勉強する時間を確保するようにしましょう。
6. 子どもとじっくり関わる時間、自分のリラックスタイムを意識的につくる
子育てにうまく対応するためには、子どもとじっくり関わる時間や自分のリラックスタイムを意識的につくることも大切です。
子どもと接する時間が十分にとれずに心苦しさを感じる人もいると思います。しかし、子どもとじっくり向き合う時間を少しでも確保できれば、子どもは精神的に落ち着くもの。
帰宅後から就寝前までは子どもと過ごす時間などと決めて、メリハリをつけるようにするとよいでしょう。
また、寝る前の5〜10分や入浴時など、自分のリラックスタイムを少しでも確保することも忘れずに。心に余裕があると、子どもや家族にも優しく接することができます。
7. 職場の制度や子育て支援サービスを活用する
職場の制度や子育て支援サービスなど、可能なものは活用することをおすすめします。
一般的に時短や時差出勤、子の看護休暇などは、育児・介護休業法に基づき職場の就業規則に定められています。ただし、入職して6ヶ月未満の人など、制度が利用できるかどうかは職場の規定によって異なります。事前に確認しておくとよいでしょう。
また、行政が行っている子育て支援サービスを利用することも可能です。大阪府では、病児保育、一時預かり、ファミリーサポート事業などを行っています。必要な時にすぐに利用できるように、事前に調べておくようにしましょう。
参考記事:【大阪府の行政支援】子育て中の看護師の助けになる行政支援を紹介
まとめ
看護師が育休から仕事復帰する際に不安が生じるのは当然のこと。子育てと仕事の両立だけでなく、ブランクでできた看護スキルを埋めるためにも相当なエネルギーが必要です。
仕事に慣れるまでは少し時間がかかるかもしれませんが、復帰した姿を想像すると楽しみに感じる気持ちもあるのではないでしょうか?
今回ご紹介したような対処法を取り入れて、不安やつらい悩みを軽減しながら少しずつペースをつかんでいきましょう。