「看護小規模多機能型居宅介護ってどういう施設?」「介護系の施設で働きたいけど、どこがいいのか分からない」と悩んでいませんか?
今注目されている介護施設の一つである看護小規模多機能型居宅介護(看多機)。看多機は介護と看護の複合型サービスであり、看護師として利用者さんにじっくりと寄り添える施設です。
今回は、看多機の特徴や看護師の仕事内容、千葉市でおすすめの職場についてご紹介します。
看護小規模多機能型居宅介護(看多機)とは?
看護小規模多機能型居宅介護(看多機)は、利用者さんが住み慣れた自宅でできるだけ過ごせるようにサポートする複合型の介護施設です。
医療ニーズの高い人や状態が不安定な人などは、家族の負担やサービスの不足により在宅療養を継続できないことも。要介護者に医療・介護を効率的に提供するために「訪問看護」「訪問介護」「通い」「泊まり」の4つのサービスを一体化して2012年に新設されたのが看多機です。*1
看多機事業所がある市町村に居住しており、要介護1〜5の認定を受けている方であれば、サービスを利用できます。
看多機は他の介護施設と何が違うの?
看多機は利用者さんを幅広く支える複合型サービス。介護施設はたくさんの種類があるため、他の施設と比べた看多機の特徴をご紹介します。
1.サービス提供内容の自由度が高い
看多機は利用者さんやご家族のニーズに応じてサービスを柔軟に提供できます。
他の介護施設では利用回数の範囲内で月単位の計画を立てるため、1ヶ月以上前に利用を決めるのが一般的。
看多機は24時間365日運営しており、定額制で利用回数の制限がありません。
利用者さんやご家族の体調不良などで急遽泊まりを利用したり、安否確認のために5分間だけ訪問したりと自由度の高いサービスを提供できます。
2.同じスタッフが対応するため安心感がある
看多機では同じスタッフが「訪問・通い・泊まり」のすべてに対応します。
たとえば、従来の方法でデイサービスやショートステイ、訪問介護・看護などを利用する場合、事業所によってスタッフが異なり利用者さんのストレスになることも。
看多機は同じスタッフが継続して対応するため、利用者さんにとってより安心できるサービスなのです。
3.看護師がいるため医療処置にも対応できる
看多機は看護師が配置されているため医療ニーズのある方でも利用できます。
看多機では看護師がインスリン注射や褥瘡の処置、点滴などに対応できるため、退院直後の状態が不安定な方や医療処置が必要な方でも利用可能。
終末期ケアや緩和ケアにも対応しているため、最期を自宅で過ごしたい方を継続してサポートします。
看多機での看護師の仕事内容は?
看多機で働く看護師は以下のような仕事を行います。
・バイタルサイン・体調チェック
・服薬管理医療行為(痰の吸引・点滴・注射・褥瘡の処置など)
・主治医との連携・通院のサポート
・ターミナルケア・緩和ケア
看護師は「訪問・通い・泊まり」の利用者さんを医療的な視点でサポートするのが重要な役割。
通いや泊まりの場合、食事・排泄介助やレクリエーションなどを行い、介護職員のみでは対応しきれないことも。
その場合は、看護師が介護業務をサポートすることもあります。
看多機で働く看護師の1日のスケジュール
看多機で働く看護師の1日のスケジュールをご紹介します。
看多機は24時間体制のため日勤・夜勤などがありますが、常勤だけでなく非常勤で週2〜3日働いている人もいます。施設と在宅の垣根がなく利用者さんをサポートできるため、仕事のやりがいを感じることでしょう。
看護師が看多機で働くメリット
看護師が看多機で働くメリットは次のようなものがあります。
1.看護と介護の知識を幅広く習得できる
看多機では「訪問・通い・泊まり」の場で幅広い知識・技術を身につけられます。
他の介護施設などに勤めた場合は「訪問」「通い」「泊まり」いずれかの経験を積むことになります。
看多機では一貫して対応するため利用者さんの生活により近く、看護スキルだけでなく柔軟な対応力やコミュニケーション力なども磨けるでしょう。
2.一人ひとりに手厚く継続した看護が提供できる
看多機は登録利用者29名の少人数制であり、一人ひとりに手厚く継続した看護が提供できます。
大規模施設や時間の制約がある施設では、利用者さんとじっくり関わる時間が確保できないことも。
看多機は少人数定員であり「訪問・通い・泊まり」のすべてに対応するため、一人ひとりに向き合い継続した看護を提供できます。
看護師が看多機で働く際に気をつけておきたいこと
看護師が看多機で働くデメリットはいくつかあります。
1.複合型サービスのため業務範囲が広い
看多機では「訪問・通い・泊まり」に対応するため業務範囲が広くなります。
初めて看多機で働く場合、他の施設とは異なる業務範囲の広さにはじめは戸惑うかもしれません。
仕事に慣れてしまえばさまざまな経験を積めるメリットはありますが、看護師経験が浅い人やブランクの長い人は仕事を覚えるのに時間がかかることを理解しておきましょう。
2.日勤・夜勤と不規則な生活になりやすい
看多機は24時間365日運営しているため夜勤やオンコール対応が必要です。
子育て中や夜勤に慣れていない人は、不規則な生活を大変に感じてしまう可能性も。日勤のみで働きたい場合は、希望にあう募集を探したり採用担当者に相談してみたりするのがおすすめです。
看多機で働きたい!看護師におすすめの千葉市の施設3選
看多機の事業所数は続々と増えており、千葉県では41カ所と全国7位に多くなっています(令和4年度)*2。
中でも人口の最も多い千葉市で看護師が働きやすい看多機を厳選してご紹介します。
1.SKYHEART看護小規模多機能
SKYHEART看護小規模多機能は鵜の森と宮野木の2カ所にある施設です。
SKYHEART看護小規模多機能は全国に介護施設や訪問サービスを展開している会社が運営。
在宅鍼灸マッサージなどと連携しており、看多機の利用者さんも利用できます。
教育制度をはじめ福利厚生が充実しているため、長く働きやすい環境が整っています。
2. Nursing Home
Nursing Homeは園生と稲毛東、八千代台の3カ所にある施設です。
Nursing Homeの運営会社は千葉県内で訪問看護・介護や訪問入浴などを幅広く展開。
職場内の人間関係がよく残業がほとんどないため、働きやすい環境が整っています。
系列の医療機関の受診無料や企業主導型保育園50%offなど、スタッフに嬉しい福利厚生が充実しているのも特徴です。
3. 看護小規模多機能 楽隠居
看護小規模多機能 楽隠居はおゆみ野駅前から徒歩3分にある施設です。
椎名崎クリニックなどをもつ医療法人社団 寄命会が運営。そのため、利用者さんの状態が変わった時などにもすぐに相談でき、安心して対応できるのが特徴です。
デイケアと同等のリハビリ機材が備えられており理学療法士や言語聴覚士も在籍しているため、身体に障害のある利用者さんにとっても環境が整っているといえます。
自分にあう看多機で利用者さんに寄り添う看護をしよう
看多機は「訪問看護」「訪問介護」「通い」「泊まり」の4つのサービスを一体化した施設です。
業務範囲が広く慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、利用者さんとじっくり関わりたいのであれば看多機で手厚く継続した看護・介護が十分に実現できます。
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*1 参考:厚生労働省「看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)について」
*2 参考:e-stat「介護給付費等実態統計 令和4年度 請求事業所数」